【特別企画】性教育の専門家と対談してみた

子どもの性教育の専門家・株式会社ファミワンの西岡有可さんと対談しました。
産婦人科医やっきー 2024.07.19
誰でも

今回は特別企画です!!

子どもへの性教育をお仕事にされている看護師・西岡有可さんと対談しました🐻‍❄️

***

妊活や不妊治療、プレコンセプションケア、性教育を専門としている看護師の西岡有可です。

私が所属する株式会社ファミワンでは、オンラインの健康相談サービスを企業や自治体に向けて提供しています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

産婦人科医やっきーと申します。こちらこそ、よろしくお願いします。

先生は現役の産婦人科医として勤務されているだけでなく、ブログなど様々なご活動をされているようですが、詳しくお伺いしてもよろしいですか?

2022年5月から漫画の考察ブログを始めたので、「やっきー」としての活動を始めてからちょうど2年くらいになりますね。

現在はSNSを運用しつつ、こちらのニュースレターや医師国家試験予備校の講師、ときどきライターや講演業の仕事などをしています。

マルチにご活躍されているわけですね…!

興味の出たことを片っ端からやっていたらいつの間にかこんなことになりました。最近は自分という人間がよく分からなくなってきています。

ここはどこ?私は誰?

対談中に自我を見失わないでもらっていいですか。

***

先生はこのような対談をよくされているとお聞きしましたが…

そうなんです。『産婦人科医やっきーの雑談ラジオ』という名前でYouTubeチャンネルを開設しておりまして、産婦人科の先生や胚培養士さん、他科のドクターや漫画家さんなどをお招きして対談・鼎談企画をしたりしています。

YouTubeチャンネルですか…!それは本格的ですね…

何か、チャンネルを開設することによる狙いや目標のようなものはありますか?

一応の目標はありますが、私にとってYouTubeはブログやニュースレターの片手間のようなものなので、これを言うのは恥ずかしいのですが…

目標があるんですね!ぜひ教えて下さい。

ヒ◯キンです。

とりあえず、全てのYouTuberさんに謝った方が良いと思います。

***

それはともかく、普通は勤務医として働きながらブログを書くだけでも精一杯だと思うんですが、よくそこまで手を広げられますね…

天才ですから。

何この自己肯定感。こわい。

『SLAM DUNK』からの引用です。

漫画ブログを書いてるからといって唐突な引用やめてもらえますか。

それと私は三っちゃん派です。

三井派でしたか……

……

……

ブログが…書きたいです……

私の三っちゃんを汚さないでください。

***

ところで、西岡さんが今回、私と対談されることになった経緯は何でしょうか?

現在、我々は7月27日にオンラインイベント「夏休みスペシャル!子ども性教育2024」を開催予定なのです。

(記事の最後に無料クーポンコードがあります)

ほう、性教育に関するイベントですか。

このイベントの広報について考えていたところ、『theLetter』の濱本さん(『産婦人科医やっきーの全力解説』のプラットフォーム運営者)からご紹介を頂いたのがきっかけです。

なるほど、イベントの告知を兼ねた対談なわけですね。

そうです。我々も非常に力を入れているイベントですので、やっきー先生のお力をお借りしたいと思いまして。

やっきーだけに、イベントの告知に躍起(やっき)になっている…と?

?はい。

***

性教育の現状と重要性

それではそろそろ戯言は終わりにして、性教育の現状や重要性についてお話し頂きたいと思います。

頑張って飛ばしたギャグを戯言(ざれごと)と言われてしまった…

やっきー先生は産婦人科医として、日頃、性教育に携わる機会はお持ちですか?

うーん、私自身は臨床の立場なので、学生に対して直接性教育をすることは殆どないんですよね。

確かに、なかなか臨床の現場だと難しいですよね。

強いて言えば、私のブログの読者さんに少しだけ医学や産婦人科のことに詳しくなってくれればいいかな、という気持ちでやっています。

なるほど、先生のブログは確かに医学に興味のない人が自然と医学に触れられる機会になっていますよね。

とはいえ、実際のところ性教育の話となると難易度は上がります。ブログでも性感染症や低用量ピルの話などをしたりしていますが…

そんなわけで、漫画の描写の解説を通して医学の知識も楽しく学べるブログ『産婦人科医が漫画を読む』も是非読んでみてくださいね!

対談中にブログの宣伝するのやめてもらっていいですか。

***

ところで、現場ではどのような方が性教育を担当されているんでしょうか?

産婦人科医の先生や助産師さん、看護師、養護教諭などケースバイケースですね。正直なところ、子どもに正しく性の知識が伝わっていないことも少なくありません。

なるほど。現在は小学生のうちに月経などについて学ぶ機会はあるんでしょうか?

学校によります。外部の講師を招く場合もあれば、担任が簡単に触れるだけという場合もあるようですね。先生のところではそういう機会は無かったのでしょうか?

それなんですが、私自身、小中学校~高校と、全くと言っていいほど性教育を受けてきませんでしたね。

私の父が産婦人科医で、姉も2人いる立場ですが、大学で医学を勉強するまでは女性の体のことについてはほぼ知らないままでした。

実際、そういう方は多いですよね。

月経の具体的な状況や周期、生理用品など、産婦人科医になってから知ったことも多く、一般的な基礎知識として知っておきたかったと思います。

私が月経のことを初めて知ったきっかけは『ちびまる子ちゃん』でしたし。

確かにありましたね、さくらももこ先生ご自身の初潮に関するエッセイ漫画が…

出典:ちびまる子ちゃん 5巻

出典:ちびまる子ちゃん 5巻

当時、ただの男子小学生だった私にはあの漫画の意味が全く分かりませんでした。

ピーヒャラピーヒャラ、ポンポコリンでした。

その感想は意味がよく分かりませんが。

思考回路はショート寸前でした。

それ別のアニメの主題歌ですよ。

***

かかりつけ産婦人科の重要性

やっきー先生は産婦人科医の立場から、女性の健康管理についてはどうお考えですか?

それについては以前から考えていることがありまして、私が目指しているのは「町のお医者さん」なんですよ。

なるほど。

「町のお医者さん」、つまり「なんか身体について気になることがあるな、やっきー先生のとこに行ってみよ」と気軽に思ってもらえるポジションでありたいわけです。

こんなふうに「かかりつけ産婦人科」を作ることが重要だと思っています。

そういう先生がいることは確かに大事ですね!

たとえば月経痛の症状は低用量ピルなど様々な方法で軽減できますから、そういった相談を簡単にできるのがかかりつけ産婦人科のメリットですね。HPVワクチンなどのちょっとした疑問に答えたりもできますし。

HPVワクチンに関して言いますと、接種開始年齢が小学校6年生からなので、そこで産婦人科のかかりつけを作って月経のことなども相談してもらえると理想的かなと思います。

なるほど、早期からの関わりが将来的な女性の健康管理につながるわけですね。

***

子どもへの性教育について

ところで、西岡さんが所属されている会社のお名前は…ええと…

株式会社ファミワンと申します。

そうでした。

……

……

家庭用ゲーム機の取り扱いを…?

フ〇ミコンとは関係ないです。

***

気を取り直しまして、ファミワンさんは子どもの性教育についてどのように取り組まれていますか?

ファミワンでは出前授業とオンラインイベントの2つの軸で、年齢に応じて適切に内容を変えながら、子どもたちへの性教育に取り組んでいます。

特に現在、力を入れているのがオンラインの性教育イベントですね。

ふむふむ、具体的にどのようなイベント内容なんでしょうか?

イベントは毎年夏休みに開催しており、小学校低学年、高学年、中学生、そして保護者や教育関係者向けに、ターゲットを絞った包括的な性教育を提供しています。

小学校低学年向けには男女の体の違いや、赤ちゃんがお腹の中でどのように成長するかなど、絵本やイラストを使って、子どもの理解レベルに合わせた説明をします。

また、プライベートパーツの話や、危険から身を守る方法なども教えます。「いや」や「やめて」をしっかり言えるよう、オンライン上で一緒に「やめて」と言ってもらうんです。

それは実践的で良さそうですね!

ところで西岡さん、よければ今度、夜景の見えるレストランでディナーでも…

……

「いや」。

秒で実践されてしまった。

***

小学校低学年の話に戻りますが、そういった性教育の話を聞いた子どもたちの反応はどうですか?

概ね良好かなと思います。男の子の場合、性的なこととは関係なくペニスが勃起することがありますが、自然なことだと知って「僕は病気じゃなかったんだ」と安心する子が多いですね。

高学年には思春期の体の変化について詳しく教えます。ある授業では、生理用ナプキンの使い方について、男子も含めて全員で学びました。

男子も含めて学ぶのは大切ですね。

中学生には性行動や避妊、性感染症についての正確な知識を提供します。

最近では性被害やSNSの危険性のほか、性的同意やデートDV、緊急避妊ピルについても教えています。

男子生徒もお付き合いする相手ができる時期ですから、興味を持って聞いてくれていますね。

素晴らしいですね…私が中学生の頃、そんな真剣なことを考えていた記憶はありませんよ…

やっきー先生はその頃、お付き合いされていた方がいらっしゃったのでしょうか?

『スーパーマ◯オ64』をいかにして早くクリアするかという技術を磨いていたらフラれました。

なんか、ごめんなさい。

***

オンライン性教育について

やっきー先生、産婦人科医の立場から見て、オンライン性教育についてどのようにお考えですか?

すごく可能性を感じます。実際、対面だと恥ずかしさが生まれてしまうのが性教育の課題だと思いますが、オンラインなら積極的に参加しやすいですよね。

まさにその通りです。

私自身、リアルでは純朴なシロクマとして生活しているんですが、ブログ(オンライン)ではおっぱいを連呼する記事を書いたりしていますし。

なるほど、どうでもいいですね。

***

実際、体育館等での一斉授業よりも、オンラインの方が参加者が積極的に質問できるんです。

昨年の夏休みイベントでは全国から1000人以上の参加があり、満足度調査では95%以上が「良かった」以上の回答でした。

特に「友達の目を気にせず質問できた」「家族で一緒に参加できてよかった」という声が多かったです。

素晴らしいですね…ファミワンさんではどのような方が性教育を担当されるのでしょうか?なに種のクマですか?

性教育の現場にはシロクマもツキノワグマも居ません。

助産師、看護師、臨床心理士など、それぞれの分野のエキスパートが担当します。

なるほど。

子どもたちが正しい知識を得て、必要なときに適切な医療を受けられるようになることが、私たちの目標でもあります。

7月27日に開催されるオンラインイベント「夏休みスペシャル!子ども性教育2024」を通じ、ぜひこの機会に、子どもたちと一緒に性教育の大切さを学んでください。

やっきー先生、本日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

***

それにしても学校の性教育を外部の専門家に委託する、というファミワンさんのお仕事にはビッグビジネスの予感がしますね。

良いご評価を頂けて何よりです。

今回の対談料代わりに、私もそのアイデアを頂いて会社を立ち上げてみていいですか?

ダメです。

あくまでも2番手という立場なので、「株式会社ファミツー」として。

ゲーム雑誌と紛らわしいのでダメです。

……

……

ファミワンさんを乗り越えるぞ!という思いを込めて、「株式会社スーパーファミワン」はいかがでしょう。

我々が許しても任◯堂が許さないと思います。

***

というわけで西岡さん、ありがとうございました🐻‍❄️

ファミワンさんによる「夏休みスペシャル!子ども性教育2024」、よろしければご検討してみてください。

なお、このイベントには本来1000円の参加費がかかりますが、

【kodomo2024s-theletter-y】のクーポンコードをご入力頂くと無料でご利用頂けます。

そんな太っ腹なことある?🐻‍❄️

また、ファミワンさんが取り組まれている学校での性教育に関しては、私も対談していて可能性をひしひしと感じたので、

教職関係の読者様は導入をご検討してみてはいかがでしょうか🐻‍❄️

ここまでお読み頂き、誠にありがとうございました🐻‍❄️

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