全力解説 vol.37「なぜフェムテックはうさんくさいのか?」

読者様からこんなご質問を頂きました。
🤰「デリケートゾーン用オイルが『フェムケア』として販売されており、懐疑的に見てしまいます。エビデンスはあるんですか?」
フェムテック・フェムケアの話。
これに対する私の考え方は「理念はいいけど、うさんくさい商品が多すぎる」です。
簡単に解説すると、フェムテックは「テクノロジーの力で女性の健康問題を解決するもの」、
フェムケアは「女性の健康問題を解決する商品全般」といった感じです。
フェムテック・フェムケアという考え方は素晴らしいです。
女性が社会進出するにしろ、家庭を持つにしろ、女性特有の健康課題を解決するというのは大事です。そこに異論はありません。
そんなフェムテックは、良い方向に向かえば女性の身体活動を手助けしてくれる、
まさに我ら産婦人科医と共通の理念を持った商売敵(と書いて友と読む)……であるはずなのですが、
いかんせんわけわからん商品を出す商売敵(と書いて尻ぬぐいと読む)が多すぎるのが現状です。

てなわけで、本日の記事は「なぜフェムテックはうさんくさいのか?」です。
この問題を解き明かすべくフェムテックの歴史を遡っていくと、
「なぜフェムテックはうさんくさい商品ばかりになってしまったのか」
「なぜ単なるオナニーグッズがフェムテックとして丁重に扱われているのか」
の答えが少しずつ見えてきます。
本記事ではそんなフェムテック考とともに、日本のフェムテック関連団体に対する忖度ゼロの品評を行いつつ、
次回の記事ではうさんくさいフェムテック商品4種類の医学的エビデンスを検証していきましょう。
フェムテックがうさんくさい理由
「フェムテック」にうさんくささを感じる理由を説明するためには、
フェムテックの歴史や成り立ちを理解する必要があります。

出典:WeAreTechWomen
「フェムテック(Femtech)」という言葉を作ったのはデンマークの起業家イダ・ティン氏であり、
"Female"と"Technology"を組み合わせた造語として、2016年に月経管理アプリ「Clue」の資金調達のためのプレゼンで「Femtech」と命名したのが始まりです。
経済産業省の定義としては「女性特有の健康課題をに先進的技術を用いた製品・サービスで解決策を提供する」といった感じ。
分かりやすいところでは月経管理アプリですが、
婦人科疾患のロボット支援下手術や産婦人科のオンライン診療なんかもフェムテックに該当します。
「フェムケア(Femcare)」は実質的なフェムテックの上位概念で、女性の健康課題を解決するもの全般を指します。
極端に言えば生理用ナプキンもフェムケア製品のひとつです。

前述のClueや、日本でよく使われるルナルナのような月経管理アプリは実に優秀なものだと言えます。
我々のような産婦人科医の診療の範囲でも、
「月経日をずらしたい」「妊活中なので排卵日を予測したい」「月経周期が不安定なので何とかしてほしい」
などのお悩みを寄せられるのですが、これらに関してはしっかりした月経周期の記録があると診断や治療をする上で大きな助けになります。
こうした月経管理アプリや、ロボット支援下手術、生理用ナプキンに対し、通常の感覚で「うさんくさい」と思うことなど本来は無いはず。
にも関わらず、フェムテックやフェムケアがうさんくさい理由は何なのか。
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