全力解説 vol.33「この期間に出産したい、という妊婦さんへのアンサー」

本記事の公開は4月25日。
この時期になると妊婦健診で時々、こういった質問を受けます。
🤰「里帰りですが、ゴールデンウイークの間の出産なら夫が立ち会えます。この間に出産する方法はありますか?」

確かに、せっかくの命の誕生を家族総出で味わいたいという要望があるのは自然なことです。
母児の心身はもちろん、家族の都合も含めて最高の状態で赤ちゃんに会いたい、という希望は大いに尊重されて然るべきですね。
あと大きい声では言えないヤツとして🤰「むしろ大型連休中だと義両親が来てめんどいからその後がいいなあ」なんてご意見もあったり。なかったり。
というわけで本日お届けするテーマは「この期間に出産したい、という妊婦さんへのアンサー」です🐻❄️
分娩週数に関する医学的な考え方と、よくある俗説の検証(歩くと陣痛が来るとか焼肉を食ったら陣痛が来るとかハーブティーを飲んだらいいとか)を行っていきましょう。
※注意点※
以下で解説するのは、基本的に「特にリスクのない、経腟分娩予定の単胎妊娠」を想定した内容です。
妊娠高血圧などの合併症妊娠や、骨盤位、前置胎盤、双胎、既往帝王切開などに関してはこの限りではありませんので、担当の医師にご相談ください。
分娩週数について
まずは基礎知識からいきますが、「正期産」と呼ばれる在胎週数は妊娠37週0日~41週6日を指します。
妊娠42週0日以降(過期産)だと胎盤が赤ちゃんの成長を補えなくなってくることによる胎児機能不全(赤ちゃんしんどい)が懸念されます。
妊娠36週6日以前(早産)による赤ちゃんのへの影響については週数次第なので一概には言えませんが、「Late Preterm(後期早産)」と呼ばれる妊娠34週0日~36週6日に限って言うと、特に出産直後の赤ちゃんの呼吸障害などの合併症が懸念されます。
また、最近では呼吸状態のほかにも血糖や体温、神経学的評価などのデータが集まるにしたがって、
妊娠37週0日~38週6日を「早期正期産(Early Term)」
妊娠39週0日~40週6日を「満期正期産(Full Term)」
妊娠41週0日~41週6日を「後期正期産(Late Term)」
と呼ぶ区別方法も提唱されたりしています。
(参考:亀井良哉「36~37週で生まれた赤ちゃんの生理」ペリネイタルケア 42(6): 542-548, 2023.)

出典:亀井良哉「36~37週で生まれた赤ちゃんの生理」
この区分法は、わずかながら満期正期産(妊娠39週0日~40週6日)が赤ちゃんの状態的には一番良いのでは?という研究が背景にあったりします。
(ただし、まだ国内においてコンセンサスがそれほど強く確立しているわけではないので注意です)
こうした動きを受けて「分娩誘発など、医療の介在を必要とする出産の時期は少なくとも39週以降でいこう」という方針を打ち出している病院は比較的多いと思いますし、
「少なくとも予定日(40週0日)までは絶対に待つ」という方針の病院もしばしば見受けられます。私も基本的にはこれ。

先ほど少しだけ出てきたように妊娠42週0日以降(過期産)になると胎児機能不全のリスクが上昇するため、国内のガイドラインでは
・妊娠41週台では分娩誘発をする。しない場合はめっちゃ慎重に管理する。
・妊娠42週0日に入ったら原則として分娩誘発すべき。
という方針が打ち出されています。
(参考:産婦人科診療ガイドライン産科編 2023)
要するに、何らかの医学的リスクや特別な事情のない場合、
医療的な分娩誘発の介在を考えるのは原則として39週以降、遅くとも41~42週頃には誘発が必須になる、というわけです。
以上の前提知識を踏まえた上で「お産を進めるための方法」について、
ガイドラインにも記載されているものからメチャクチャ怪しい俗説まで、以下の11項目に分けて解説していきましょうか🐻❄️
①分娩誘発
②卵膜剥離
③乳頭刺激(乳首マッサージ)
④めっちゃ動く(歩く・階段の昇り降りをする・スクワットする・トイレ掃除をする)
⑤性交渉
⑥特定の食べ物(焼肉、辛いもの、パイナップルなど)
⑦ハーブティー(ルイボスティー、ラズベリーリーフティーなど)
⑧ハーブの摂取(ブルーコホシュ、ブラックコホシュ、クローブオイルなど)
⑨ヒマシ油の摂取
⑩お風呂に長く入る
⑪鍼灸・指圧
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