全力解説 vol.67「赤ちゃんが小さい」を考える

本記事の執筆は2026年6月。
日本の産婦人科診療における3年に1度の大イベント、産婦人科診療ガイドラインの改訂の季節でもあります。(厳密には5月発行)
産婦人科に限りませんが、医学におけるガイドラインというのはほぼ法律みたいなもんであり、
まあほとんどは微々たる改訂なのですが、たまーに尾田栄一郎がマガジンに移籍するくらいの大事件が起きるので油断ができません。
そんな今年のガイドライン改訂の目玉といえば、妊娠中期以降の妊婦さんを扱う産婦人科医の誰もが動揺した「胎児発育不全(FGR)」の定義変更でしょう。
胎児発育不全といえば、妊婦さん側は言うに及ばず、管理してる側の産婦人科医もかなり緊張するものなので、その定義にメスが入ったとなれば注目は必至です。
しかも「ちょっと数字変わりました」レベルの軽微な変更ではなく、元々の診断法の原型が半分も残ってないくらいの大改革であったため、
2026年5月に札幌で開催された日本産科婦人科学会で、超偉い先生たちによる壮絶な舌戦…というか言葉による殴り合いが繰り広げられたのは記憶に新しいところ。

あの周産期のアレ
アツいディスカッションというか、口論だったな…

あのバトル、そのへんの産婦人科医を捕まえて『今年の日産婦のアレ』と言えば伝わります。

出典:毎日放送
というわけで今回は「赤ちゃんが小さいと言われた時に考えること」をお話ししつつ、
今年の日産婦のアレは一体何だったのかを振り返ってみましょう。
胎内の赤ちゃんが小さいということ
妊婦健診で超音波をあてて、赤ちゃんの推定体重を出した時。
「なんかちっちゃいな」と思った次の瞬間、産婦人科医は下記の2パターンのどちらに該当するかを考えます。
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