全力解説 vol.8「男女の産み分けってできるの?」

根拠のない産み分け法の数々と、産み分けビジネスがなくならない理由
産婦人科医やっきー 2024.08.01
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読者の方々からご質問を頂きました。

🤰「男女の産み分けってできるんですか?」

🤰「専用のゼリーを使うと産み分けの確率が上がると聞いたことがありますが…」

***

【男女の産み分け】。

これはもう、歴史上尽きることのない永遠のテーマと言っても良いかもしれません。

21世紀の現代でこそ事情が多少変わってきているものの、

世界史的には多くの国・地域が男が家督を継ぐことになっていたため、

後継者がおらず家系の存続が危ぶまれた、あるいは家系が断絶してしまった例は枚挙に暇がありません。

場合によっちゃ男が産まれなかったことで国が傾いた例すら珍しくなく、

18世紀の神聖ローマ皇帝・カール6世には4人の子どもが居たものの、唯一の男子だったレオポルトは1歳に満たず亡くなってしまい、

やむを得ず長女のマリア・テレジアを後継者にするも、男系が途絶えたことに難癖をつけられ戦争が起きるレベルでモメまくったことで知られています。

このように、「男が産まれてほしい」と願われる場面は歴史上多く存在しました。逆もまた然り。

それだけに「何とかして男子を(あるいは女子を)産む方法は無いだろうか」という研究も古くから進められてきました。

結論から言うとまともな産み分け方法など未だに存在しませんが、その代わり無意味な産み分け指導や産み分けグッズでたっけえお金を取ってくる輩はいくらでも居ます。

巷でよく言われているゼリーサプリオーガズム謎のカレンダーも、何の意味もありません。

今日はそんな「男女の産み分け」をテーマに全力解説していきましょうか🐻‍❄️

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続きは、11545文字あります。
  • 古代の話
  • X染色体とY染色体の発見
  • X精子とY精子をいかに分けるか
  • 人間における男女産み分けの説
  • 食べ物やサプリで産み分けられる?
  • 産み分けビジネスの仕組み
  • 今の技術で産み分けはできないの?
  • 性選別を行っていると推測される国・地域
  • 医学的に妥当性のある場合
  • まとめ

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