全力解説 vol.21-3「妊娠中の食べ物NGリストを徹底検証してみた」カフェイン・ハーブ・激辛料理編

こんにちは!
産婦人科医やっきーです!
今回の記事は、前回に引き続き「妊娠中の食べ物NGリストを徹底検証してみた」となります🐻❄️
第1回はざっくり言うと「①:生もの」「②:魚介類」「③:レバー・うなぎ」について、
第2回は「④:アルコール」だけを徹底検証してまいりました。
第3回となる本記事のラインナップは以下の通りです。
⑤:カフェイン
⑥:ハーブ・薬味類
⑥-A:ハーブティー(ルイボスティー、ラズベリーリーフティーなど)
⑥-B:その他ハーブ・薬味類(ナツメグ、パセリ、バジル、ミント、アロエ、シナモン、大葉など)
⑦:ポリフェノールの豊富な食べ物(アサイー、プルーン、ブルーベリーなど)
⑧:激辛料理
さあはりきっていくぞ🐻❄️
(前提知識を揃えるのが重要なので、部分的な抜粋やスクリーンショットの転載はご遠慮願います)
⑤:カフェイン
妊娠中にコーヒーや紅茶、チョコレートなどを控えるという方は多いと思いますが、
果たしてこれはどこまで気を付けるべきなのでしょうか?
てなわけで、まずはカフェインとコーヒーの基礎知識からいってみましょう🐻❄️

コーヒーの原産地は、アフリカ東部のエチオピアだということがほぼ確定しています。
コーヒーノキの豆を焙煎して抽出した飲み物がコーヒーなわけですが、
当時はエチオピアの僧侶が眠気覚ましや頭痛薬として使用していた等、
コーヒーが何らかの薬理作用をもたらすことも早い段階から経験則的に分かっていました。
そんなコーヒーの研究が一気に進んだのは1819年のこと。
ドイツの化学者・ルンゲ(ジーンズの青い色をコールタールから分離したりした凄い人)が、
ゲーテ(世界的文豪なのになぜか科学にも異常に詳しいオッサン)から「コーヒーの薬理成分を抽出しろ」という無茶振りをされたのですが、
ルンゲはわずか数ヵ月でその薬理成分を突き止めました。これがのちのカフェインです。

そんなカフェインがなぜ眠気覚ましになるかというと、ざっくり言うと脳内の眠気を引き起こす物質に対して鈍感になるといった感じです🐻❄️
加えて、コーヒーにはカフェインだけではなく様々な物質が入っていますので、これらがなんか色々組み合わさって眠気覚ましとして作用するようです。
実はカフェインに関しては分かってないことも多いです。
そんなコーヒーですが、嗜好品として世界中で愛されまくっているが故にコーヒー研究ガチ勢も医学・薬学方面には山のように居まして、
コーヒーが健康に良いのか悪いのかを示す研究もまた星の数ほど存在しています。

そこそこ確度が高そうなもので言うと、
合計118万人分のデータを利用したメタ解析で、1日1杯コーヒーを飲むごとに2型糖尿病の発症リスクが6%ずつくらい低下した、てなものがあります。
しかもこれ、カフェインレスコーヒーでも同様の結果だったとか。
さらに、非アルコール性脂肪肝の発症リスクも同様に低くなり、
肝臓癌に至ってはコーヒーの摂取で発症頻度が半減した、というものもあったりします。
ただ、これらの研究を完全に信用しきって良いのかと言われると何とも言えないところもありまして、
中には「コーヒーを1日6杯飲んだら高血圧に8%なりにくくなったよ」というただのカフェイン中毒やないかと言いたくなるような研究もあったりします。
まあ、この手の話は「健康に良いって報告もあるらしい」くらいにとどめておくのが無難です。
「どんな人でも〇〇さえ食べれば(飲めば)健康になる!」がアテになることは99%ありません。それが食い物だろうとサプリだろうと健康食品だろうと。
とはいえ、世界三大嗜好品(酒・タバコ・コーヒー)の中で唯一、人体にとってポジティブに働くという研究結果がそれなりにある、という事実は押さえておいて良いかもしれません🐻❄️
では、そんなカフェインが妊娠に与える影響についてお話ししましょう🐻❄️
「カフェインが妊娠によくないかも」という事実が最初に知られるようになったのは1960年代、実験動物レベルでカフェインの過剰投与が骨奇形を増加させたという報告が複数上がったことがきっかけでした。
こうした報告が影響し、妊娠中にはコーヒー・チョコレートなど、カフェインが入っているものは極力避ける…という方も多いですが、
実際のところはどうなのかを文献ベースで解説してみましょう🐻❄️
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- ⑥:ハーブ・薬味類
- ⑦:ポリフェノールの豊富な食べ物(アサイー、プルーン、ブルーベリーなど)
- ⑧:激辛料理
- まとめ
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