全力解説 vol.45「PCOSの世界一わかりやすい解説」

産婦人科領域において「なんか分かりにくい病気」はいくつかあります。
たとえば『妊娠高血圧症候群』。
単なる「高血圧」だけでも何がどう体に悪いのか分かりづらい上に、「妊娠高血圧症候群」と言われたらもうお手上げであり、
これまで数多くの妊婦さんを悩ませ、医学生たちを恐怖のズンドコに叩き落してきました。
(そんな激ムズ疾患の妊娠高血圧は以前に世界一わかりやすく解説しました。ぜひよんでね🐻❄️)
そして、その妊娠高血圧症候群に勝るとも劣らない圧倒的分かりづらさを誇っている疾患、
そのひとつが『多嚢胞性卵巣症候群(Polycystic Ovary Syndrome / PCOS)』でしょう。
何故起きるのか分かりづらい、何が起きてるのか分かりづらい、
普段の月経や妊娠にどう影響するのか分かりづらい、
どう治療すればいいのかも分かりづらい。
とはいえそれもそのはずで、PCOSの正体が分かりづらいのは前提となる知識があまりにも多すぎるがゆえの必然であり、
たとえるなら「ピルを飲むと生理痛が抑えられるよ」が分数の足し算くらいの難易度だとすると、
「PCOSの病態生理の理解」は二次関数くらいの難易度になってきます。よく分かんなくて当然。
かくいう私も医学生時代は、妊娠高血圧症候群と同様に「PCOSってなんやこれ意味わからん🐻❄️」と細かい理解をぶん投げたものです。
あと「多嚢胞性卵巣症候群」という日本語名は呼ぶのも書くのも超めんどくさいので、
以降は基本的に「PCOS」と表記します。
ちなみにこれはど~~~しても最初に言っておきたいのですが、
PCOSの読み方は「ピーシーオーエス」です。「ピーコス」という読み方は許さん🐻❄️

https://x.com/Tatsu_Reprod/status/1755139979649703939
確かにICSI(顕微授精)は「イクシー」、HELLPは「ヘルプ」と発音したりするので気持ちは分からんでもないのですが、
いずれも読み方を「ピーシーオーエス」としています。
偉い人が「ピーコス」と読んでる例は見たことも聞いたこともない。(少なくとも私は)
正確な裏取りができているわけではありませんが、今までに何人かの研修医・若手医師に聞いた話を総合すると、
有名な某医師国家試験予備校講師(産婦人科が専門ではない)が言い出して、ここ10年くらいで「ピーコス」が有名になってしまったっぽいです。
孝志郎先生ではないよ🐻❄️
というわけでPCOSの発音が分かったところで、
ここからはPCOSの「世界一わかりやすい解説」をしていきましょうか🐻❄️
難しい部分を大胆に端折って、理解に必要な部分を中心にお届けします。
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- PCOSの仕組み
- 何でこんなことになるの?
- PCOSの予防法
- PCOSの治療法(妊娠を考えない場合)
- PCOSの治療法(妊活中・不妊治療中の場合)
- どうやって診断するの?
- まとめ
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